大型映像とは
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事務局長note
2002年8月23日(金)
『葵プロモーション「森の伝説」試写を見て』
 葵プロモーションと手塚プロダクションが共同制作した「森の伝説」(36分)の試写が8月23日, 所沢航空発祥記念館・大型映像館で行われた。これは巨匠・手塚治虫の最終作品とも言われているもので,1989年に手塚治虫の死によって未完のまま今日に至っている。原版は劇場公開用の35mmサイズで,これを70mm15Pまでブローアップしている。面積にして10倍に拡大しているわけだが,IMAGICAの最新デジタル技術でIMAXサイズでも何とか見られる画質が確保されている。特に今回,新撮した「ジャングル大帝レオ」のガイダンス・アニメの部分は2Kながらタテ15m×ヨコ20mの大画面で見ても違和感がさほどなく,和製アニメをIMAXバージョンで制作することの可能性を引き出している。

作品のテーマは「自然保護」と「生命の尊さ」。テーマが高尚なだけにヘタをすると金を払って説教される・・・ことになりかねない。出来から言えば狂言まわしの「レオ」の新撮部分は食いつきがいいが,第一話の最初の10分間が多少つらい。芸術性はわかるが,子どもたちには退屈な時間になってしまわないか。中身は全編チャイコフスキーの「交響曲第4番」の荘厳な調べにのせてストーリーが展開される。はじめに音楽ありきで,そこからの着想で物語が構成されている。ただ残念なのは作者の死によって完成したのは第1楽章と第4楽章のみで未完に終わっている。IMAXサイズで平面アニメを展開するのは至難の技だ。手塚治虫だからここまで出来たとも言える作品だ。

また全編を貫く音楽・チャイコフスキー「交響曲第4番」の出来がいい。1987版は東京交響楽団であったが,今回,あらたにマルチサウンド(6ch)にするため日本のアニメ音楽を多数手がけたことのあるチェコフイル管弦楽団で収録している。今年6月プラハのドボルザークホールで録音され,見事にアニメの動きと音楽が融合している。

「森と木の対話」と題された第1楽章は,森の大きなクスノキとモモンガの話。森での生活を脅かす男に勇敢に立ち向かっていくモモンガのサム君が,ディズニー以前の様々なアニメ画法のスタイルでパロディ風に描かれている。第4楽章「嵐と虹の丘にて」は,森に住む妖精たちが機械に追いまくられる話になっている。森の妖精たちをフルアニメで描き,開拓する人間と機械をリミテッドアニメのスタイルで描くことにより,フルアニメーションがテレビのアニメーションにおいまくられるという風刺になっている。




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